北九州市と平成筑豊鉄道(福智町)は、門司区の門司港レトロ地区で4月26日開業する観光トロッコ列車「潮風号」の運行計画をまとめた。鉄道事業法に基づく全国初の「特定目的鉄道」で、週末を中心に年間130日、1日13往復走らせ、運賃は大人(中学生以上)片道300円で調整中。バス事業者などとも連携して循環バスとの接続や割引切符の販売にも力を入れ、「関門海峡観光の『牽引(けんいん)車』にしたい」と意気込んでいる。同市は23日開会する定例市議会に提案する新年度一般会計当初予算案に、関連事業費5390万円を計上している。
列車はディーゼル機関車2両と客車2両の4両編成。路線と駅は命名権を企業などに売却し、路線名は「やまぎんレトロライン」。「九州鉄道記念館駅」から「出光美術館駅」「ノーフォーク広場(日本料理『ら・むゑっと』入り口)駅」を経て、「関門海峡めかり駅」までの2・1キロを10分で結ぶ。
3〜11月の土、日曜日と祝日に運行し、春、夏休みとゴールデンウイークは平日も走らせる。ダイヤは午前9時台から午後5時台まで、上下線とも30分に1本の間隔で編成した。
客車は原則1号車の42席を指定席、2号車の36席を自由席とする。運賃は2月中にも国に認可される見通しで、座席指定券は100円を予定している。
開業に合わせて、西鉄バス北九州は門司港レトロ地区で運行している「めかりレトロ周遊バス」を刷新。列車と競合する現路線の運行をやめ、代わりに関門海峡めかり駅と、海峡を一望できる「めかり第2展望台」などを結ぶバスを、30分ごとに1日14本走らせる。乗り継ぎ時間は大半が5、6分で、運賃は大人180円。全便にボランティアガイドが同乗し、展望台では10分間途中下車できる。
北九州市は、同駅周辺に各種切符を販売する「めかり総合案内所」や、1日500円で自転車を貸し出す「レンタサイクルターミナル」を整備する。
関門海峡を挟んで対岸にある山口県下関市との連携も強化する。平成筑豊鉄道は列車と循環バスに加え、連絡船や下関市内の路線バスにも乗れる割引切符「関門海峡クローバーきっぷ」(大人900円、割引率12・6%)を発売。北九州市も下関市とイベント開催などで連動し、海峡一帯の回遊性を高めて観光客増につなげたい考えだ。
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/fukuoka/news/20090218-OYT8T01043.htm