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2009年02月19日(木) 00時00分

知的障害者施設のドキュメンタリー映画完成読売新聞

映画の舞台となった施設で作業する利用者ら(サンガーデン鞍手提供)

 鞍手町の知的障害者入所更生施設「サンガーデン鞍手」の利用者や通所者の日常を追ったドキュメンタリー映画「あした天気になる?」が完成し、22日午後2時から、同町総合福祉センターくらじの郷で上映会が開かれる。

 監督の宮崎信恵さん(66)(東京都江東区)は、自閉症や発達障害の人たちが社会から排除されているとの思いから、2007年11月から1年間、同施設に密着して撮影。食事や入浴の様子、お菓子作りなどの作業といった、利用者らの日常生活を追った。初めは警戒していた利用者も、徐々に打ち解け、自然な表情を見せてくれたという。壁に頭を打ち付けるなど行動障害の様子もありのままに写した。

 宮崎さんは「彼らは環境が整っていれば、穏やかに生活できる。飾らずに生きる彼らの魅力を、もっと社会に知ってほしい」と言う。

 タイトルは、利用者の少年の言葉から取った。少年は重度の自閉症で、毎朝の草取りが日課。生活リズムが崩れるとパニックに陥る。職員に「あした、晴れるかなあ」とよく聞いて来るという。宮崎さんは「明日には、誰もが幸せに暮らせる社会が、来るだろうか」と、少年の言葉を社会へのメッセージととらえた。

 同施設の長谷川正人施設長(48)は「発達障害のある人は、暴れたり、大声を出したりするので、なかなか周囲の理解が得られず、生きづらさを感じている。そんな彼らの本当の思いが伝われば幸いです」と話している。

 鑑賞券は大学生以上が1000円、小中高生が800円(大学生以上の当日売りは200円増し)。前売り券の購入は、サンガーデン鞍手(0949・43・1200)へ。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/fukuoka/news/20090218-OYT8T01062.htm