文化庁が昨年、世界文化遺産の国内候補地リストに追加した「九州・山口の近代化産業遺産群」に、日本初の洋式反射炉「築地(ついじ)反射炉」跡(佐賀市)など幕末佐賀藩の歴史遺産を加えられないか検証するシンポジウムが21日午後1時から、佐賀市本庄町の佐賀大理工学部6号館で開かれる。参加無料。
市民団体「佐賀伝承遺産研究会」(土師俊資会長)などが主催。国際産業遺産保存委員会のスチュアート・スミス事務局長と長野暹・佐賀大名誉教授が幕末佐賀藩の歴史遺産の価値について基調講演し、長野名誉教授らによるパネルディスカッションが行われる。
「九州・山口の近代化産業遺産群」に県内から入っているのは、唐津市の国指定重要文化財「旧高取邸」のみ。研究会は、築地反射炉のほか、日本最初の蒸気船用ドックを持つ「三重津海軍所」跡、佐賀藩の理化学研究所「精煉方」跡の追加を目指している。
土師会長は「幕末佐賀藩の業績を再認識し、佐賀のまちづくりに生かしていくことが必要。歴史遺産の価値を多くの人に知ってもらいたい」と、シンポジウムへの参加を呼びかけている。問い合わせは研究会(050・3448・6155)へ。
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/saga/news/20090218-OYT8T01014.htm