電気やガスの使用量から、二酸化炭素(CO2)排出量などを記録する「環境家計簿」を使って、排出削減に取り組む佐世保市の市民モニターの調査結果がまとまった。調査した昨年7〜9月の1か月当たりの1世帯平均排出量は176・4キロ・グラム。前年比12・4キロ・グラム削減されており、スギ1本が1年間で吸収する量とほぼ同じ量だった。市は「予想以上に抑えられた。排出量を減らせば家計も助かる。環境家計簿で、身近な節約から取り組むことを進めたい」としている。(井手祥雄)
環境家計簿は水道やガソリンなど6項目について、設定された係数を使用量と掛け合わせて排出量が計算できる。1990年から20年間で6%のCO2削減を進めている同市は、家庭のCO2削減のため、2007年2月に1万部作成。市役所などに置いたが、半数ほどしか普及しなかった。
そこで市は、市民の関心を引き出そうと、昨年6月にモニターを募集、111世帯から応募があり、59世帯が回答した。
モニターは電気、ガス、水道に限定した簡略版を使用。前年比よりも電気は7・1キロ・グラム、ガスは4・9キロ・グラム、水道は0・4キロ・グラム減少していた。「家族が一部屋に集まり、不要な電気を使わないようにした」「バケツに水をくんで洗車した」といった実践例も寄せられ、家計簿については「増減が確認でき、楽しみながら取り組めた」といった肯定的な意見が多かった。
市は、今回の結果を出前講座などで示し、家計簿の浸透を図ることにしている。
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/nagasaki/news/20090219-OYT8T00016.htm