県産ブランド「完熟きんかん」を使った新しい料理の試食会が、宮崎市神宮の飲食店「馳走や クォーカ」で開かれた。生産量日本一を誇る果実の消費拡大を図り、キャンプ見学に訪れる観光客にも味わってもらうのが目的だ。同市を中心に8店が、期間限定でそれぞれに工夫したメニューを提供している。
「みやざきの食と農を考える県民会議」とJA宮崎経済連の主催。県民会議が、県産食材を積極的に使う店舗として登録する151店に新メニューの考案を呼びかけたところ、8店から応募があった。JAから約6キロの提供を受けた各店がメニューを考案した。
試食会で新しいメニューを披露したのは、クォーカのほかに同市の「ふるさと料理 杉の子」と「薬膳あんかけ焼きそばミンミン」。ちらしずしやギョウザ、角煮やクレープなど計約10品を持ち寄った。
試食した約10人が試食し、「料理とうまくマッチしている」「おやつ感覚で食べられる」などと、高く評価。県地域婦人連絡協議会の谷口由美絵会長(69)も「そのまま食べるか、甘露煮にするしか知らなかったが、他の料理にすることで、改めて良さを再発見した」と満足そうだった。
クォーカでは14日で新メニューの提供をいったん終了。マスターの松木柾久さん(59)は「糖度の高い実をどう使うか、何に合うのか分からず、最初は悩んだ。これからも、こうした料理を追求したい」と意欲的だ。
杉の子の店主、森松平さん(70)は「完熟きんかんが料理の味をじゃましないよう仕上げた」と話し、ミンミンを経営する榎本文広さん(57)は「子どもや女性をターゲットにした味に仕上げた。実の量を調節するのが大変だった」と話していた。
同県民会議の吉田周司事務局長は「食べ方をもっと広げていけば、販売拡大につながる。家庭でも試してほしい」と話していた。店舗などの問い合わせは県営農支援課(0985・26・7132)へ。
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/miyazaki/news/20090218-OYT8T00834.htm