呉市で1月にあった成人の日記念式典で酒に酔った新成人が市職員を殴った問題で、市は18日、呉署に被害届を出した。飲酒した新成人の騒ぎが毎年問題になるため、主催する市は中止も含めて今後の式典の在り方を検討する。
市によると、1月12日に式典の会場付近で新成人の1人が警備中の男性職員(33)の頭を殴って立ち去った。新成人は後日名乗り出て職員に謝罪。「酔って覚えていない」などと説明したという。当事者間では治療費を払って示談が成立したが、市は「法令順守を推進する立場にあり、成人として暴行した事実は重い」と判断。公務の執行を妨害されたとして被害届を出した。
市の式典は40年以上前から続き、市内全域から1300人前後が集まる。市の予算や自治会などの寄付で約300万円の費用を負担しているが、毎年一部の新成人が酔って騒ぎ、昨年は急性アルコール中毒で救急搬送されたり、会場のトイレのドアを壊したりする新成人もいたという。市は本年度中に今年と来年の新成人にアンケートして式典の必要性などを問う予定で、結果も踏まえて結論を出す。
【写真説明】市文化ホールであった今年の式典。外では酔った新成人が騒ぎを起こした