安土桃山時代に毛利輝元が定めた国重文の政務心得書「毛利氏掟(おきて)」が、福山市西町の広島県立歴史博物館で20日に始まる企画展「毛利氏VS(と)天下人」(3月29日まで)で初公開される。
毛利氏掟は幅約30センチ、長さ約4メートル90センチの巻物。毛利博物館(防府市)が所蔵する。元亀3(1572)年、輝元が叔父の小早川隆景と吉川元春、重臣の福原貞俊、口羽通良の4人にあてた。さらに「御年寄衆」の5人、7人の奉行、実務者21人に伝達している。
毛利は当時、中国地方一円に勢力を伸ばしていたが前年に元就が亡くなり、家中の重鎮を失っていた。木村信幸主任学芸員は「対外戦争が落ち着き、平和維持には公正な基準が必要と考えたのだろう」と分析している。
【写真説明】政務の心得を記した毛利氏掟