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2009年02月19日(木) 10時11分

年金給付水準50%維持 厚労省、財政検証で試算中国新聞

 厚生労働省が五年に一度行う公的年金の財政検証で、現役世代の手取り収入に対する厚生年金の給付水準(所得代替率)は将来にわたり50%台を維持できるとの試算をまとめたことが十八日、分かった。

 厚労省は二〇〇四年の年金制度改革の際、将来も所得代替率は50・2%を下回らないと“約束”しており、ほぼ同水準を確保した。月内にも試算を公表する。ただ、空前の不況下にもかかわらず、年金積立金の長期運用利回り予想は、現行を上回っており「甘い試算」との批判は必至だ。

 所得代替率は、年金受給世帯が現役世代の収入に比べ、どの程度の年金を受け取れるかを表す数値。夫が平均賃金で厚生年金に四十年加入、妻が四十年専業主婦というモデル世帯を設定して計算する。〇六年度は59・7%だった。

 厚労省は試算の基本ケースとして、五五年の合計特殊出生率を国立社会保障・人口問題研究所の中位推計に沿って、1・26と設定。積立金の長期運用利回り予想は、現行の3・2%を超える4・1%としている。賃金上昇率の見通しは、ここ数年の実績を大幅に上回っている。

 〇四年の年金改革では、一七年度まで保険料を段階的に引き上げ、給付水準を抑制することで財政を維持する計画。厚生年金の保険料率(現行15・35%)は最終的に18・30%、国民年金の月額保険料(現行一万四千四百十円)は一万六千九百円とすることが決まっている。

 また、政府は、四月から基礎年金の国庫負担割合を現行の三分の一強から二分の一に引き上げるための国民年金法改正案などを国会に提出している。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200902190088.html