米原子力規制委員会(NRC)は18日までに、原発の新規建設に当たっては、航空機が衝突しても安全性が確保される設計にするよう事業者に求めることを決めた。
2001年9月の米中枢同時テロ以降、原発が攻撃対象になる可能性があるとして、規制強化を検討してきた。既設の原発は対象外という。
NRCなどによると、大型旅客機が直接衝突してもコンクリート製の原子炉建屋が破壊されず放射能の閉じ込め機能を保持。炉心の冷却機能も維持され、使用済み核燃料の冷却プールも壊れないことを設計上求める。
NRCのクライン委員長は「9月11日の悲劇に対処する常識的な取り組みだ」と述べた。決定は17日付で、4人の委員の全員一致という。
現在稼働中の104基の原子炉については、航空機衝突に伴う大規模な火災や爆発に対処できるような運用上の改善を昨年12月に指示していた。
米国では1979年のスリーマイルアイランド原発事故以来、原発の新規建設は止まっているが、地球温暖化防止などの観点から新設申請が相次ぎ、これまでに17基に達している。NRCはこれらについても新基準の適用を求める。(共同)
(2009年2月19日12時01分 スポーツ報知)
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