清水、王手—。将棋の矢内理絵子女流名人(女王、29)と挑戦者・清水市代女流王将(40)の5番勝負第3局が18日、東京・千駄ケ谷の将棋会館で行われ、先手の清水が149手で勝利。2勝1敗として、4年ぶりの返り咲き、そして前人未到の名人位獲得通算10期目に“王手”をかけた。第4局は26日、同所で行われる。
耐えた。清水は粘り強さ、勝負強さを見せつけた。「今日は形にとらわれず指してみました。中盤、苦しい展開になりましたが…。勝てるかどうか、最後までわからなかった」序盤、矢内に押され気味の展開も終盤に逆転。立会人の青野照市9段は「117手目▲1六桂、121手目▲9三銀不成で相手の桂馬を取ったのが良かった」と話した。
この日は親交のある漫画家の山口貴由氏が控室で応援。過去2回、盤を挟んだこともある清水の逆転劇を絶賛した。「長い間、第一人者でいるのに常に前向きでやる気がみなぎっている。弱音というものを見たことがない。本物のトップの証明ですよね」。
最初に頂点に立ったのは19歳のとき、1987年度の女流名人位戦だった。以来、トップを走り続け、名人位戦は中井広恵女流6段と並び最多の通算9期獲得。前人未到の通算10期まで、あと1勝となった。「ふだんは数字に無頓着ですが、みなさん応援してくださいますし、数字を良いプレッシャーにしたい」と意気込みを口にする表情はどこまでも力強い。
矢内女流名人「抑え込まれてしまいました。のんびりしすぎた感じです。第4局は自分らしさを出したいと思います」
(2009年2月19日06時02分 スポーツ報知)
http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20090219-OHT1T00070.htm