三井系の空調メーカー「三機工業」(東京)が、2007年3月期までの数年間にわたり受注した設備工事で、下請けに入った徳島市の電気工事会社に水増し発注し、上乗せ分をキックバックさせる方法で裏金2億円余りを捻出していたことが19日、分かった。
この電気工事会社は、キヤノン関連工事をめぐる大分市のコンサルタント会社「大光」の脱税事件でも、電気設備工事大手「九電工」(福岡市)の下請けとして裏金づくりに関与していたとされる。
関係者によると、三機工業はこうした裏金を受注工作費に充て、設備工事に伴う経費として損金処理していたという。
東京国税局は、経費ではなく、損金に算入できない交際費に当たると判断。三機工業が大半の裏金の支出先を明らかにしなかったため、通常の法人税率30%に加え制裁課税として40%の税率が課される使途秘匿金と認定し、重加算税など1億円超を追徴課税(更正処分)したとみられる。
三機工業は「裏金との認識はなかった。営業経費として使ったが、詳しい内容はコメントできない」としている。