東京都の職員が答弁調整などを理由に定例議会のたびにホテルに宿泊し、2007年度だけで公費から計約2100万円を支出していた問題で、東京都監査委員は19日、「支出は適正だった」として高額宿泊料の返還などを求めた住民監査請求を棄却した。「行革110番」の後藤雄一都議が請求していた。
監査結果によると、職員は07年12月29日からの1年間で、新宿区の都庁舎近くにある6カ所のホテルに計2244回宿泊した。
都の基準では役職によって宿泊料の上限が異なるが、このうち福祉保健局など5局で幹部と職員が同じホテルに宿泊、95泊分に基準の上限を超える宿泊料を支出していた。さらに選挙管理委員会事務局長が1泊1万5000円を支払うなど4局で上限を超える宿泊料が6泊分支出された。
これらに対し都監査委員は「幹部と連絡を取る必要があった」「緊急性があった」などとして、いずれの支出にも問題はないと結論付けた。