土地信託事業の失敗で多額の負債を抱え、大阪市が土地と建物を売却したミナミの商業施設「ビッグステップ」をめぐり、市は19日、空き区画の放置や余分な工事で損害を与えたとして、契約を結んだ銀行3行に計約38億5000万円の損害賠償を求め近く大阪地裁に提訴すると明らかにした。
3行はりそな銀行、三菱UFJ信託銀行、みずほ信託銀行。
大阪市によると、市は1989年、30年間の土地信託契約を締結。93年、中央区西心斎橋にビッグステップを開業した。
しかし、テナントが長期間入らない区画もあり、敷金が計画通りに入らずに負債が膨らむなどしたため、2007年に約167億円で土地と建物を売却した。
市は3行が空き区画を放置し、予定通りの賃料改定もしなかった上、必要のない追加工事で損害を与えたとしている。
3行は「個別案件についてはコメントを控えたい」としている。