厚生労働省は19日、介護サービス事業所が介護報酬を不正受給し市町村などから返還を求められた額が、2007年度は約18億6000万円(加算金を含む)と過去最多になったと公表した。
14カ所の事業所が指定取り消し処分などを受けた訪問介護最大手(当時)のコムスンへの請求額が約6億8000万円と、全体の3分の1超を占めた。
コムスンは全額返還したが、ほぼ4割の約7億3000万円が未返還。介護保険制度が始まった2000年度から07年度までの返還請求額は累計で約78億9000万円で、このうち未返還は33億6000万円となった。
厚労省は、これまで介護報酬の返還請求額について、事務手続き上のミスなどで事業所が報酬を過大に受け取っていた分も含めて公表していたが、今回は指定取り消しなどの処分を受けた事業所の不正受給に限定した。
このほか厚労省は、事業所の破産などで市町村が返還を見込めないと判断した金額を初めて調査。01−03年度に請求した約7億円は返還が見込めず市町村が欠損金として処理していた。