三重県伊賀市の診療所「谷本整形」で昨年6月、点滴を受けた患者が相次いで体調不良を訴えた院内感染で、三重県警は19日、業務上過失致死傷の疑いで谷本広道院長(58)を書類送検した。
県警の調べでは、谷本院長は昨年6月9日、衛生管理や感染防止の注意義務を怠り、作り置きしたためセラチア菌が繁殖した点滴を女性患者=当時(73)=に投与し感染症で死亡させ、ほか男女8人の患者にも同様の点滴を投与し敗血症などの傷害を負わせた疑い。
県警によると、調べに対し谷本院長は、看護師らが点滴の作り置きをしていたのを「黙認していた」と供述したという。県警は「院長は女性が亡くなった6月9日以前にも、点滴後に体調不良を訴える患者がいたことを知りながら、適切な処置を怠っていた」としている。
県警が家宅捜索で押収した使用済み点滴液の残りと、被害者9人から検出されたセラチア菌のDNA型が一致していた。
(共同)