米国と中国には、石炭火力発電所からの温室効果ガス排出削減など、共同で取り組める地球温暖化対策が多く、密接な協力が両国の利益になるとの報告書を、米中の専門家で組織するプロジェクトチームが19日までにまとめた。報告書は、温暖化問題での米中サミット開催や、政府高官や議会メンバーによる協議組織設置などを提言した。
プロジェクトは、米エネルギー長官に就任したチュー博士が共同議長の一人を務め、科学技術担当の大統領補佐官になったホルドレン・ハーバード大教授、クリントン国務長官の温暖化問題特使に決まったスターン氏らが参加している。いずれも政権幹部の指名前の参加だが、この提言が米政府に重視されることは確実。
排出増が目立つ中国が削減義務を負っていないことを問題視、対中強硬路線を取り続けたブッシュ前大統領の姿勢をオバマ大統領が転換、温暖化対策での米中接近が急速に進むとの見方が関係者の間に強まっており、20日に訪中するクリントン長官と、中国側との議論が注目される。