千葉県の野島崎沖で海上自衛隊のイージス護衛艦「あたご」と衝突した漁船「清徳丸」の吉清治夫さん=当時(58)、長男哲大さん=同(23)=が亡くなった事故が19日、発生から丸1年。漁師仲間が海上で父子を悼み、地元の同県勝浦市では同日午前、遺族による1周忌の法要が営まれた。
法要には海上自衛隊から半田謙次郎横須賀地方総監(海将)が参列。あらためて再発防止を誓った。
事故当時、清徳丸と一緒に航行していた「金平丸」の船長市原義次さん(55)はこの日未明、漁師仲間とともに出漁、沖合で花やおにぎりとともに、父子が好きだった酒を投げ入れた。
海上は強風で漁は中止となったが、市原さんは「事故から1年たっても、2年たっても同じ気持ち。二度と起きてほしくないし、自衛隊には『見張りをちゃんとしてくれ』としか言えない」と残念そうに語った。
事故をめぐっては、横浜地方海難審判所が先月22日の裁決で、あたご側の監視不十分が事故の主因と認定。所属部隊の第3護衛隊(京都府舞鶴市)が、安全運航の指導を徹底するよう勧告を受けた。