麻生太郎首相は19日夜、小泉純一郎元首相が定額給付金に関する法案の衆院再議決の際に欠席する考えを表明したことに関連し「みんなで頑張って取った(衆院の)3分の2だ。小泉氏が(郵政選挙で議席を)取ったという話と定額給付金の話は脈絡が通じていない」と厳しく批判した。
官邸で記者団の質問に答えた。
小泉氏が首相の郵政民営化見直し発言をめぐり「今の自民党の議席がどういう過程で得られたのか理解していないのではないか」と不快感を示したことに反発した発言。党内や世論に影響力を持つ小泉氏を首相が公然と批判するのは珍しい。
首相は、記者団が自民党内で小泉氏に同調する動きがあるかどうか質問したのに対し「(あるとは)思わない」と述べた。
首相は、小泉氏の発言について13日には叱咤激励と感じました」と受け流していたが、19日夜は「3分の2(の再議決)については叱咤激励だと思ったことはない」と強調。「党議手続きをきちんと踏んで決定したことだ。与党所属の国会議員として従ってもらうのが筋だ」と述べた。