民主党は19日の役員会で、政府が提示した8機関16人の国会同意人事案のうち、人事院人事官1人、再就職等監視委員会委員長・委員の5人、中央社会保険医療協議会(中医協)委員1人の計7人について同意しない方針を決めた。社民、国民新両党も同調する。
人事の発令には衆参両院の同意が必要で、民主、社民、国民新3党が反対すれば参院で不同意となるため、7人は任命できない見通しだ。昨年12月に設置された再就職等監視委は委員長・委員全員の空席が続くことになる。
再就職等監視委の人事案に反対するのは、制度自体を認めていないのが理由。人事官に産経新聞社東京本社編集局特別記者の千野境子氏を新任する案に関しては、人事官3人のうち1人を報道機関出身者が占める慣行が続いていることから「人事院の在り方の根本的な見直しの中で、報道機関との関係も再検討するべきだ」と判断した。
中医協委員への前田雅英・首都大学東京都市教養学部長の再任案には「刑法の専門家として医療関係者を萎縮させる発言が目立つ」として反対する。
共産党も再就職等監視委の人事案には同意しない方針で、ほかの人事案に関しては20日に対応を決める。衆院は20日、参院は23日の本会議で採決する予定。