麻生太郎首相は19日、もうろうとした状態で記者会見し辞任に追い込まれた中川昭一前財務相兼金融担当相の問題について、衆院予算委員会集中審議で陳謝したことにより幕引きを図りたい考えだ。後任の与謝野馨財務相を中心に2009年度予算案審議を乗り切るとともに、24日に予定される日米首脳会談などで成果を挙げ、局面打開を狙う。
ただ自民党内での首相の求心力は一層低下し、若手が公然と退陣論を唱える事態になっている。首相や自民党執行部は、定額給付金の財源などを確保する08年度第2次補正予算関連法案の衆院再議決に向け、造反防止に全力を挙げる。
これに対し野党側は、衆院予算委員会での首相答弁について「自らの対応がどこが違っていたか、そこの反省が欠けている」(志位和夫共産党委員長)「明確な説明がなく不誠実だ」(枝野幸男民主党衆院議員)などと批判。首相がいったんは中川氏に続投を指示したこともあり、引き続き首相自身の責任を追及する構えをみせている。