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2009年02月19日(木) 02時06分

年金給付水準50%維持 不況下、経済前提甘く東京新聞

 厚生労働省が5年に1度行う公的年金の財政検証で、現役世代の手取り収入に対する厚生年金の給付水準(所得代替率)は将来にわたり50%台を維持できるとの試算をまとめたことが18日、分かった。

 厚労省は2004年の年金制度改革の際、将来も所得代替率は50%を下回らないと“約束”しており、その水準を確保した。月内にも試算を公表する。ただ、空前の不況下にもかかわらず、年金積立金の長期運用利回り予想は、現行を上回っており「甘い試算」との批判は必至だ。

 所得代替率は、年金受給世帯が現役世代の収入に比べ、どの程度の年金を受け取れるかを表す数値。夫が平均賃金で厚生年金に40年加入、妻が40年専業主婦というモデル世帯を設定して計算する。06年度は59・7%だった。

 厚労省は試算の基本ケースとして、55年の合計特殊出生率を国立社会保障・人口問題研究所の中位推計に沿って、1・26と設定。積立金の長期運用利回り予想は、現行の3・2%を超える4・1%としている。賃金上昇率の見通しは2・5%で、ここ数年の実績を大幅に上回っている。

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2009021801000894.html