政府は１９日、景気の基調判断を５カ月連続で下方修正し「急速な悪化が続いており、厳しい状況にある」とした２月の月例経済報告を関係閣僚会議で了承した。与謝野馨経済財政担当相は関係閣僚会議後の記者会見で「個人消費が緩やかながら減少するなど、家計部門への波及がはっきりしてきた」と述べ、景気の悪化が家計を直撃し始めたとの認識を示した。
下方修正したのは、世界的な景気悪化で輸出や生産の急激な減少が続いている上、雇用不安の高まりで個人消費も落ち込んでいるため。５カ月連続の下方修正はＩＴバブル崩壊後の２００１年２−６月以来。
０８年１０−１２月期の実質国内総生産（ＧＤＰ）は年率換算で前期比１２・７％減と、マイナス幅としては約３５年ぶりの大きさで、足元でも景気悪化に歯止めがかからず「戦後最悪不況」の様相を深めつつある現状に危機感を示した。「厳しい状況」という表現は０２年８月以来。１月の基調判断は「急速に悪化している」だった。
個別項目では、個人消費は１月の「このところ弱含んでいる」から「緩やかに減少している」に２カ月連続で下方修正した。個人消費など内需の弱さに加え、生産の減少で原材料の輸入量が減っているため、輸入も「緩やかに減少」から「減少」に２カ月連続で下方修正した。