【ジュネーブ19日共同】世界貿易機関(WTO)のラミー事務局長は18日、難航している新多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)について、鉱工業品、サービス分野の貿易自由化が進めば「日本に多大な利益をもたらす」と強調。日本は見返りに農業分野で、高関税を維持できる「重要品目」の数を原則4%に抑えることなどを盛り込んだ大筋合意案を受け入れ、農業市場開放を進めるべきだとの認識を示した。
24日からの訪日を前に共同通信と単独会見した。事務局長は日本滞在中に石破茂農相や二階俊博経済産業相、自民党幹部らと会い、こうした考えを伝える予定。
ラミー事務局長は「今、テーブルにあるのは、日本にとって非常に良い合意案だ」と指摘した上で、「問題は日本がどれだけ(農業分野での)代償を払う用意があるかだ」と述べた。
重要品目の4%という数字については「交渉の最後の最後まで変更不能なものはない」とも述べ、重要品目への指定の見返りに求められる低関税輸入枠の拡大の規模など、ほかの部分での交渉次第では調整が可能だという見方を示した。