日銀の白川方明総裁は19日、金融政策決定会合後に記者会見し、1−3月期と4−6月期の実質国内総生産(GDP)について「厳しい姿を想定している」と述べ、日本経済は当面、マイナス成長が続くとの認識を示した。
企業の資金調達環境についても「大変厳しい」と指摘。担保の範囲内なら無制限に貸し出す企業金融支援特別オペを強化、期間3カ月の資金を0・1%の低金利で供給することで、企業が資金調達する際の長めの金利低下を促す考えを強調した。
同日の会合で3月から社債を買い入れることを決めた理由は「社債市場の機能不全は企業金融全体の逼迫につながる」と説明した。
追加利下げについては「(この日の会合で)議論はなかった」と説明。日本の政策金利が米国よりも実質的に低いことを指摘するなど、ゼロ金利政策の再導入には慎重な姿勢を示した。企業の資金繰り支援策の拡充などについては「常に考えている」と述べた。
日銀が準備預金の超過準備に金利を付ける制度の延長は「積極的な資金供給をするため」とした。