アジア開発銀行(ADB)の黒田東彦総裁が19日、都内で記者会見し、日本などの先進国を除くアジア・太平洋地域の2009年の実質経済成長率について、昨年12月に7・2%から5・8%に引き下げた見通しをさらに下方修正する考えを明らかにした。世界的な金融危機が実体経済に悪影響を及ぼしているためだ。具体的水準については「5%を割ることはないだろう」と述べるにとどめた。
金融危機などに対応できるように、ADBの資本を3倍に増やしたいとの意向も示し、5月の総会までに合意を目指す。
タイ・プーケットで22日に開かれる東南アジア諸国連合(ASEAN)プラス3(日中韓)財務相会議では、緊急時に外貨を融通し合う通貨交換協定(チェンマイ・イニシアチブ)の資金規模の拡大が主要な議題になると説明。域内の通貨安定に向けた協力や、保護貿易の回避も議題になると指摘した。