三菱商事は19日、業績不振でストップしていた一般職の正社員採用を2009年秋に約15年ぶりに再開することを明らかにした。三井物産が09年4月に再開するほか伊藤忠商事、丸紅、双日は過去1、2年の間に既に復活。採用を続けてきた住友商事を含め、大手商社6社の足並みがそろう。「超氷河期」とされる就職難の中で応募が殺到しそうだ。
採用再開は、投資の可否を判断する際に不可欠な市場動向の推計など事務作業の高度化に伴い、有期の非正規労働者に任せにくい仕事が増えたのが主因。
一般職は日常業務の補助作業を担い、転勤はないが昇進や昇級に制限がある。各社は金融不安や景気低迷に直面した1995年から2000年にかけて、一般職の採用をやめ、契約社員や派遣社員で穴埋めしていた。
だが、高度化した事務に対応できる人材が不足し、営業担当の社員や取引先から採用復活を求める声が上がっていた。