企業年金連合会は19日、世界的な金融危機の影響で、厚生年金基金と確定給付企業年金の積立金の運用利回りが2008年度は通年でマイナス20%超まで落ち込むとの見通しを明らかにした。
昨年12月末までで既に推計16・24%のマイナスとなっており、市場の好転も期待できないため。同連合会が調査を始めた1986年度以降で最低だった02年度のマイナス12・46%を下回り、過去最悪となることが確実な情勢だ。
運用悪化に伴い、将来の年金給付に対し積み立て不足となるケースが増えており、厚生労働省は不足分を即座に穴埋めしなくても済むよう、基準の緩和や猶予措置を講じる方針だ。
厚生年金基金と確定給付企業年金の積立金は、08年3月時点で約69兆円。12月時点の運用損は単純計算で約11兆円となる。公的年金に比べ、運用資産全体に占める株式の割合が高く、株価下落が大きく響いたことが主な原因。
積立金の運用は03−06年度は4年連続でプラスとなったが、07年度は10・58%と再びマイナスに転じていた。
それぞれの加入者数は厚生年金基金が約470万人で、確定給付企業年金が約550万人。