【パリ18日共同】フランスのサルコジ大統領は18日、テレビで国民向けに演説し、世界的な経済危機で打撃を受ける中間所得層の購買力向上などのために、減税など総額26億ユーロ(約3050億円)の救済措置を講じると表明した。
政府、経済界、労組の代表者を交えた会合後に発表した。労組代表は会合で、サラリーマンへの支援が依然、不十分だと指摘。3月19日に予定する全国一斉の抗議行動へ向けて政府への圧力を強める意向を示した。
フランスでは1月末にも雇用の維持などを掲げてゼネストと大規模なデモが全土で実施された。サルコジ政権は、経済危機が社会不安に転じるのを食い止められるかどうか正念場を迎えている。
大統領が示した中間層への所得税減税は、約400万世帯が平均200ユーロの恩恵を受ける。低所得世帯を対象に9月の新学年の際に家族手当も増額する意向で、約300万世帯が平均150ユーロを受け取ることになる。
雇用維持や職業訓練のため25億−30億ユーロの社会投資基金も創設する。