旅客機の到着と出発の合間に空港駐機場でする整備時の用具紛失を防ごうと、全日空はICタグですべての用具類を管理する新システムを羽田と成田で導入した。
懐中電灯などがなくなると機体各部や客室内を徹底的に捜し、見つかるまで当該機は運航してはならない決まり。運航スケジュールを乱さないためにも、用具の管理強化が課題になっていた。
対象は用具類や工具箱、整備マニュアル、車両のキーなど約1500個。整備士約900人のネームプレートにもICタグを付ける。備品室と駐機場の間に設けられたゲートを通過すると読み取り機が自動的に記録し、備品を誰が持ち出し、持ち帰ったかをリアルタイムで把握できる。
これまではホワイトボードとマグネットを使い、自己申告していた。全日空は「こうした手間もなくなり整備に集中できる。将来は国内各地の空港に広げたい」としている。