【モスクワ19日共同】インタファクス通信によると、プーチン政権のチェチェン政策を批判していたロシアの著名な女性記者アンナ・ポリトコフスカヤさんが殺害された事件を審理していたモスクワの裁判所の陪審は19日、殺人罪で起訴されていた元警察官ら3被告全員に無罪の評決を下した。
最高検察庁は異議を申し立てる意向。
ロシア・ジャーナリスト同盟のボグダノフ代表は「恥ずべき決定だ」と遺憾の意を示した。
政権に対する厳しい批判で知られる独立系紙ノーバヤ・ガゼータの評論員だったポリトコフスカヤさんは2006年10月、モスクワの自宅アパートのエレベーター内で銃撃され殺害された。
南部チェチェン共和国でのロシア軍による人権侵害などを紙上で告発していたポリトコフスカヤさんの殺害はロシア社会に衝撃を与え、ロシアでの民主主義の後退に対する欧米の懸念が強まった。