【モスクワ19日共同】インタファクス通信によると、キルギス議会は19日、首都ビシケク近郊にあるマナス米空軍基地を閉鎖するための法案を賛成多数で可決した。バキエフ大統領の署名を経て成立する。法案可決で基地閉鎖は事実上決定し、基地使用に関する米国との政府間合意廃棄が米側に通告されてから半年以内に米軍は同基地からの撤退を余儀なくされる。
米軍の対アフガニスタン作戦の拠点となっている同基地を失うことで、アフガン対策強化を優先課題に掲げるオバマ米政権は代替拠点の確保などの対応を本格的に迫られる。
米軍基地閉鎖は今月3日、バキエフ大統領がモスクワでのメドベージェフ・ロシア大統領との会談後に表明。会談でロシアはキルギスに20億ドル(約1870億円)以上の融資などを約束しており、旧ソ連圏からの米国の影響力排除を狙うロシアの働き掛けが奏功したとみられている。
米国は2001年の中枢同時テロ後、アフガンでの作戦のため中央アジアのキルギスとウズベキスタンに軍を駐留。ウズベクからの撤退後もキルギスは基地存続を認めていた。