日本郵政の保養宿泊施設「かんぽの宿」のオリックスへの一括売却が白紙撤回された問題で、売却対象となっていた79施設の固定資産税評価額(2008年)の合計が、856億7600万円と、簿価(08年9月末で計123億7200万円)の約7倍となっていることが明らかになった。
鳩山総務相は19日の衆院予算委員会の答弁で「私も驚いている。実勢価格の方が固定資産税評価額より高いというのが常識であるとすれば、極めて大きな疑問がある」と述べた。
日本郵政が、民主党の松野頼久衆院議員に提出した資料によると、売却対象の固定資産税評価額は土地が計253億6500万円、建物が計603億1100万円だった。売却対象のうち固定資産税評価額が最も高かったのは「ラフレさいたま」(さいたま市)の85億3700万円で、簿価の15億5800万円の5倍超だった。
日本郵政は、簿価は、地価下落や建物の老朽化に加え、赤字施設が多いことを考慮して、収益性の低下を反映させる減損処理を行ったもので、「政府の評価委員会の承認を得ているので、適正だ」と説明している。
この問題では、オリックスへの売却価格約109億円に対し、鳩山総務相が「安すぎる」などと反対を表明したことがきっかけになって一括売却が白紙撤回された。
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20090219-OYT1T00541.htm