衆院予算委員会は19日午前、中川昭一前財務・金融相の辞任問題などに関する集中審議を行った。麻生首相は「2009年度予算案の審議中に担当の財務相が交代になったこと、世界的に色々な不安、不信を招いたことは誠に申し訳なかった」と陳謝した。
野党側は納得せず、首相の任命責任を厳しく追及した。
中川氏の辞任に関し、首相は「名誉挽回(ばんかい)の機会を与えた方がよいと思ったことも事実だ。能力より、体調の問題だった」と強調した。また、17日昼に中川氏から予算案の衆院通過後に辞任する意向を電話で伝えられ、「意思は尊重すべきものだと思った」と容認したことを明らかにした。同日夜に中川氏が一転して即時辞任を申し出た際の経緯は「本人の体力、気力がなえた感じがしたので、(辞表を)受理した」と説明した。
一方、問題となったローマでの記者会見で中川氏のろれつが回らなかった原因に関し、「(風邪)薬の部分が大きいが、酒は少量でも(薬と)反応する」と述べ、財務省幹部らとの昼食時に出たワインの影響も一部あるとの見方を示した。同省の玉木林太郎国際局長は「(ワインは)大臣が注文した。口を付けた程度の飲み方しかしていない」と語った。
首相は中川氏の「酒癖」について、「私の前で酒を飲んだことはない」としながらも、うわさでは聞いていたとし、入閣時に「酒は注意しなければダメだ」と指示したことを明かした。その上で、「このような事態になったのは事実なので、任命した責任は当然私にある」と述べた。
民主党の菅代表代行は首相が指導力を発揮していないとして、「衆院解散・総選挙ができないなら、首相の座から降りてもらいたい」と、内閣総辞職を求めた。
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090219-OYT1T00480.htm