【エルサレム=三井美奈】今月10日行われたイスラエル総選挙で、第3党となった強硬右派「我が家イスラエル」のリーバーマン党首は19日、ペレス大統領に対し、右派で第2党リクード党首のネタニヤフ元首相の首相就任を支持すると表明した。
これを受け、ネタニヤフ氏が、大統領から組閣指名を受ける見通しとなった。
ネタニヤフ氏は、国会(120議席)で過半数を占める右派勢力の結集と、中道のカディマとの大連立の双方を視野に入れて組閣工作に入る。
総選挙では、最大与党カディマが28議席で第1党となったが、リーバーマン氏のネタニヤフ支持発言は、27議席のリクードの方が連立政権をまとめやすいと判断したもの。大統領は、組閣実現の可能性が最も高い党首に組閣を要請することになっており、18日から、各党党首との協議を行っていた。
選挙では「我が家」(15議席)を含む右派陣営が65議席を占めた。
ただ、右派政権では、パレスチナ占領地への入植を支持するユダヤ教政党の取り込みが不可欠。和平プロセスは停滞し、対米関係の悪化が避けられないため、リクード内にはカディマとの連立を求める意見が強い。これに対し、カディマのリブニ党首は「首相以外は引き受けない」と、ジュニア・パートナーの地位を断固拒否する姿勢で、「ネタニヤフ首相」実現には、なお曲折が予想される。