【ワシントン=岡田章裕】オバマ米大統領は17日、西部コロラド州のデンバーで、7870億ドル(約72兆円)の景気対策法に署名し、同法が成立した。
公共投資と減税を柱とし、2年間で350万人の雇用創出を目指す米国史上で最大規模の景気対策となる。オバマ大統領は、目標通りに就任1か月で法案成立にこぎつけたことで、景気回復に向けた今後の政策運営も加速させたい考えだ。
オバマ大統領は署名式で、「景気回復に向けた最初の一歩だ。しかし、回復への道は一筋縄ではいかない」と述べ、景気回復には時間がかかるという点を強調した。
9月末までに1850億ドル、2010財政年度(09年10月〜10年9月)に3990億ドルと約1年半で4分の3を支出する予定で効果が出るには、時間がかかるとみられるためだ。
署名式では、太陽光発電の経営者がスピーチして全米規模での雇用創出効果やグリーン・ニューディールをたたえる演出も行った。
また、オバマ大統領は17日、カナダ放送協会のインタビューで、景気対策法に盛り込まれた「バイ・アメリカン(アメリカ製品を買う)」条項について「(自国の景気回復を優先して)近隣の国を窮乏させるような政策には頼らないと確約する」と述べ、保護主義に走らない考えを強調した。
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20090218-OYT1T00199.htm