【モスクワ=槙野健】ロシア訪問中の自民党の小泉元首相は18日、モスクワ市内で記者会見し、定額給付金事業を盛り込んだ2008年度第2次補正予算関連法案の衆院での再可決について、「与党が『3分の2』を使う本会議が開会される場合は欠席する」と明言した。
小泉氏は同関連法案の再可決に慎重な姿勢を示していたが、欠席する意向を明確にしたのは初めてだ。
小泉氏は「(麻生)首相や党執行部は、現在の与党の議席がどういう形で得られたか、よく理解していない。2兆円の税金を使うなら、ほかにも違う方法があるか、衆院、参院の意見の違いについて話し合ってもいいのではないか」と語った。自らが首相として2005年の衆院選で獲得した衆院の3分の2を超える議席を、安易に使わないようけん制したものだ。
一方、「政界復帰や首相に意欲があると言う人がいるが、全くそういう考えはない」と述べ、政界引退は撤回しない考えを示した。
これに関連し、自民党の細田幹事長は「(再可決の)方針は変わっていない。(小泉氏も)ぜひ賛成してほしい。(欠席の処分は)前例に従って考える」と記者団に語った。公明党の漆原良夫国会対策委員長も「補正予算案と関連法案に賛成しているのに、再可決で欠席するのでは一貫性がない。(他の自民党議員の造反という)広がりはないと見ている」と述べた。
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090218-OYT1T00725.htm