先進7か国財務相・中央銀行総裁会議(G7)の閉幕後、ろれつが回らない状態で記者会見した中川財務・金融相が17日夜、辞任した。
たった1日の間に、自らの進退についての発言を二転三転させる迷走劇。辞任後の記者会見では、飲酒による影響はなかったと強く否定してみせたものの、野党だけでなく自民党議員からも「早く辞めさせるべきだった」と批判の声が上がった。
同日午後6時20分頃、麻生首相に辞表を提出した中川氏は同7時過ぎ、東京・霞が関の財務省に姿を現した。
「何度もすみません」
この日の記者会見は、これが3度目。時折コップのお茶を口にする中川氏はどこか吹っ切れた表情だったが、16日の衆院財務金融委員会で「(酒を)飲んだのを『ごっくん』ということであれば、ごっくんはしていません」などと答弁した時の余裕は見られなかった。
中川氏はこの日朝、「与えられた仕事を一生懸命やっていく」と続投の意向を示しながら、昼過ぎには、「予算案と関連法案が衆院を通過したならば、辞表を提出したい」と前言を翻したばかり。夜になって突然、辞任したことについては、「予算を一刻も早く上げるのが目的だから考え直した」と釈明した。
ろれつが回らなかったことへの飲酒の影響については「関係ございません」と語気を強めて否定。「今後の酒とのつきあい方は」と問われると、「現時点の体調ではとてもお酒を飲む気分にはなれない」と不愉快そうに答えた。
問責決議案を提出するなど反発を強めていた野党は、中川氏の辞任にも厳しい姿勢を崩さず、民主党の逢坂誠二衆院議員は「帰国後すぐクビにすべきだった。迷走の原因は総理に資質がないからだ」と批判。自民党の菅原一秀衆院議員も「即刻、罷免すべきだった。総理は判断を誤ったのではないか」と語気を強めた。
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090217-OYT1T01213.htm