野党が問責の構えを見せていた中川財務・金融相が17日に辞任したことで、政府・与党は停滞していた2009年度予算案審議を急ぎ、今月中の衆院通過で予算案の年度内成立にこぎつけたい考えだ。
しかし、麻生首相の任命責任を追及する野党は勢いづいており、採決をめぐる与野党攻防は激しくなりそうだ。
衆院予算委員会は16日に予算案採決の前提となる中央公聴会を終え、審議は終盤に入っている。与党側は、閣内の与謝野経済財政相が中川氏の後任を兼務したことにより「今後の審議に支障はない」とし、首相が訪米する23日までの衆院通過も探る構えだ。
しかし、衆院予算委を23日まで毎日開いたとしても審議時間数は計50時間程度しか確保できず、80時間以上費やした昨年を大幅に下回る。与党内では「中川氏の行動への批判もあり、強硬路線は取りにくい」との声もあり、採決は首相帰国後の月末にずれ込む可能性が出ている。
一方、17日午後の衆院予算委の集中審議を欠席した野党各党は、18日から審議に復帰する方針だ。民主党の鳩山幹事長は17日夜、都内で記者団に、「ぶざまな辞め方をしなければならない『お友達内閣』を作った首相の任命責任を(国会で)徹底的に追及する」と強調した。同党は今後、予算案の組み替えを要求し、早期の採決に応じない構えだ。
野党側は、定額給付金などの財源を確保する2008年度第2次補正予算関連法案の参院否決の時期についても慎重に検討しており、同法案の衆院再可決を巡る攻防が予算案採決と同時期になる可能性もある。
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090217-OYT1T01215.htm