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2009年02月18日(水) 10時07分

北方領土打開目指す 麻生首相、初のサハリン訪問中国新聞

 麻生太郎首相は十八日午前、ロシアのメドベージェフ大統領と会談するため、羽田空港発のチャーター機でロシア極東サハリン州のユジノサハリンスクに向け出発した。首相は、日ロ間最大の懸案である北方領土問題の打開に向け、交渉レベル格上げなどで合意したい考えだ。現職首相のサハリン訪問は戦後初めて。

 首脳会談では東シベリア開発などの経済協力やプーチン首相の来日時期をめぐっても協議する。

 昨年十一月のペルーでの首脳会談で、メドベージェフ大統領は領土問題に関し「解決を次世代に委ねることは考えていない」と表明。一月二十四日の首相との電話会談でも「(首脳会談では)二国間すべての問題について話し合いたい」と積極的な姿勢を示していた。

 ただ、日ロ関係筋は「ロシア側が領土問題で直ちに柔軟な対応に転ずる兆候はない」と指摘しており、今回の首脳会談では具体的な進展は難しい状況。日本側は「首脳同士が領土問題解決に対する重要性で一致し、プーチン首相来日につなげられれば成果だ」(政府筋)としている。

 会談ではこのほか、北朝鮮の核、拉致問題をめぐり意見交換するほか、世界的な金融危機への対応や地球温暖化対策での連携策も話し合う。

 会談後、首相は液化天然ガス(LNG)の対日輸出記念式典に大統領とともに出席し、LNG運搬船も視察する。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200902180140.html