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2009年02月18日(水) 00時00分

事業費異例の伸び・・・2009年度県当初予算案読売新聞

 県が17日に発表した2009年度一般会計当初予算案は総額1兆5892億円で、前年度比3・5%増の積極型となった。中小企業支援や雇用創出事業が目玉で、景気を浮揚させようと県単独の公共事業も集中的に行う。一方、税収は大幅に落ちこみ、09年度末の県債発行残高は過去最高を更新する見通しとなった。(滝下晃二、坂田元司)

◆歳  入

 県税は、景気悪化に伴う法人2税(法人事業税、法人県民税)の減収などが響き、前年度比901億円減の6318億円。ただ、08年度に設けられた国税「地方法人特別税」の影響を除いた実質的な県税減収は596億円としている。

 一方で、地方交付税は146億円増の2793億円。国の交付税の不足分を補う臨時財政対策債は524億円増の1037億円に伸びた。

 借金にあたる県債(臨時財政対策債を除く)は前年度より53億円多い1390億円を発行。09年度末の発行残高は過去最高の2兆7448億円に達する見通しだ。

 それでも財源が不足するため、財政調整基金など3基金から124億円を取り崩す。この結果、04年度に705億円だった基金残高は208億円にまで減少する。

◆歳  出

 政策的な事業に充てる「行政施策費」は前年度比507億円増の2374億円。27・2%の異例の伸び率で、中小企業向けの融資枠を約1・6倍に拡大することなどが押し上げる要因となった。

 公共事業費2182億円のうち、県単独事業費は前年度比36億円増の989億円。事業を前倒しした2月補正分を含めた14か月ベースでは、前年度の当初予算額より77億円増で、うち70億円が道路整備に充てられる。

 後期高齢者医療制度の負担金などを含む社会保障費は66億円増の2275億円、県債の償還に充てる公債費は38億円増の1778億円となった。職員数の削減により、人件費は33億円減の5204億円に抑えた。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/fukuoka/news/20090217-OYT8T01029.htm