17日に開会した福岡市議会の定例会で、市立こども病院・感染症センターの現地建て替え費用の試算額上乗せ問題を巡る議論が始まった。吉田宏市長は、市がゼネコンに聞き取りした時期や職員について、過去の議会で虚偽答弁していたことを謝罪。議員からは、市長の辞職を求める声も上がった。
中山郁美議員(共産)がこの日の本会議で質問。吉田市長は「正確さを欠く答弁があり、誠に申し訳なく、おわび申し上げる」と述べた。聞き取りをした市内部の検証・検討チームの責任者だった■川洋副市長も「担当職員の記憶に頼った答弁で、正確さを欠いた」と謝罪した。
市は昨年10月の議会で、聞き取りはチーム事務局の課長と、事務局と他部署を兼務する職員が行ったと説明。時期については「(2007年の)8月10日前後」としていた。
しかし、市はこのうち職員について、人工島への移転計画を担当していた保健福祉局の専従職員だったと修正。時期も「7月中旬から8月上旬にかけて依頼し、8月10日前後に最終回答をもらった」と改めた。
これに対し、中山議員は「極めて不誠実。市長の辞職を含めて責任を明らかにし、人工島移転を白紙撤回すべき」と批判。吉田市長は「全国トップレベルの子どもの医療を維持するには、十分な敷地が確保できるアイランドシティ(人工島)への移転が必要」と理解を求めた。
また、検証・検討チームがゼネコンへの聞き取り内容をまとめた文書を破棄した問題に関し、中山議員は「公用文書毀棄(きき)罪に当たる」と指摘。■川副市長は「個人の備忘録であり、公文書ではない」と反論した。
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/fukuoka/news/20090217-OYT8T01046.htm