キヤノンの工場建設を巡る法人税法違反事件で、東京地検特捜部が東京国税局と合同で関係先の一斉捜索を行った17日、脱税工作の舞台となった県内でも、大分市のコンサルタント会社「大光」社長・大賀規久容疑者(65)の自宅などに係官が入った。多くの報道陣が関係先に駆けつけ、捜索は物々しい雰囲気の中で行われた。
同市中島中央2にある大賀容疑者の自宅では午前10時、係官約10人が捜索に訪れた。しかし、家人が不在で実際に始まったのは約1時間20分後。カーテンが閉ざされ、ひっそりとした家の中で捜索は約4時間半続いた。
近所に住む男性(78)は「約10年前に家が建ち、監視カメラが設置されたことに違和感を感じた。こんなことが身近で起きるとは夢にも思わなかった」と驚いた様子だった。
一方、佐伯市蒲江にある元県議会議長長田助勝容疑者(80)の自宅でも、午前10時から捜索が始まった。自宅や隣接する会社事務所で帳簿や書類などの内容を調べ、証拠品を押収したとみられる。
近所の主婦(63)は「県議をしている裏で、犯罪に手を染めていたなんて……。地元や有権者への裏切りにほかならない」と語った。
市町村合併前の最後の蒲江町長、塩月厚信・佐伯市副市長(59)は「地元のために尽くされた方なので、逮捕されて捜索を受けるような事態になったことは、非常に残念としか言いようがない」と言葉少なだった。
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/oita/news/20090217-OYT8T00987.htm