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2009年02月18日(水) 00時00分

鹿児島市新年度予算 1.2%増2045億600万円 過去最大に読売新聞

 鹿児島市は17日、2009年度の一般会計当初予算案を発表した。総額は前年度当初比1・2%増の2045億600万円で過去最大。景気後退に伴う大幅な税収減のため、15年ぶりに財政調整基金を取り崩すなどして、自主財源比率50%を維持した。森博幸市長は「2年後に控えた九州新幹線の全線開通と、環境に配慮したまちづくり、景気対策などに重点を置く積極型予算」と話している。同予算案は24日の市議会に提案する。(角亮太)

 【歳入】

 市税は景気の急速な悪化を受け、前年度当初比4%減の810億5500万円で、法人2税が大幅に落ち込み33億6000万円の目減りとなった。地方交付税は4・9%増の278億円だった。

 市の借金にあたる市債は24%増の224億1000万円で、このうち地方交付税の不足分を補う臨時財政対策債が67億円に上る。市債残高は2578億1300万円の見込みで、市民1人当たりの借金は42万7000円になる。

 預貯金ともいえる主要3基金からは計72億円を取り崩した。中でも急激な税収の落ち込みなどに対応する財政調整基金からは17億円を一般財源に繰り入れた。取り崩しは1994年度以来。3基金の残高は09年度末で169億円になる見込みで、04年度の333億円からほぼ半減する。

 【歳出】

 九州新幹線の全線開業に関連する、JR鹿児島中央駅周辺の再開発や市街地の活性化などの事業は、前年度当初よりも約30億円増の計83億円を計上。環境関連は、公用車への電気自動車の導入や公共施設への太陽光発電施設導入などに計75億円を充てる。

 景気後退の影響もあって民生費は前年度当初比6・1%増の743億円で全体の36・3%を占める。このうち生活保護費は5・9%増の約200億円で、受給者は約1万人と人口の60分の1だが、金額では当初予算の10分の1になっている。

 商工費は、中小企業への融資保証の拡大などで38・3%増の38億2800万円。教育費は新鴨池公園水泳プールの整備事業や学校の耐震改修事業などで8・3%増の205億円。桜島の降灰除去事業などの災害復旧費は10億6000万円などとなっている。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/kagoshima/news/20090217-OYT8T01187.htm