【ワシントン=黒瀬悦成】オバマ米大統領は17日、治安悪化の一途をたどるアフガニスタンに米軍部隊少なくとも2個旅団を今年夏までに増派する計画を正式承認した。
最大1万7000人で、オバマ政権が米軍の大規模な海外派遣を決定したのは初めて。
アフガン情勢を外交・安全保障上の最大懸案と位置づける同政権は、今回の増派を手始めにアフガンの治安回復と政情安定化に本格着手する。
米国防総省によると、海兵隊進攻旅団の8000人を今春までに、陸軍歩兵師団傘下の装輪装甲車旅団4000人を夏までにそれぞれ派遣する。これとは別に、両旅団の支援部隊約5000人の派遣命令も後日、下されるという。
駐留米軍司令官はゲーツ国防長官を通じて、現在の駐留部隊約3万7000人を1年半〜2年間で最大6万人規模にまで増強させるよう大統領に求めており、今回の増派が第1弾となる。
増派部隊は、春の雪解けとともに、旧支配勢力タリバンなどイスラム武装勢力の攻勢激化が確実視されるのをにらみ、治安悪化が著しい南部地域での掃討作戦やアフガン国軍部隊の教育訓練などに当たる見通しだ。