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2009年02月18日(水) 00時00分

画集代でアジア教育支援読売新聞

港区の社長、NGOに寄付
プエルトリコのレストランで演奏するバンドマンを描いた1枚(1999年4月)

 港区でPR会社を営む広瀬修二さん(64)が、自費制作したスケッチ画集を1冊1000円で知人らに販売し、代金をタイやラオスで子供たちの支援にあたっているNGOに寄付する活動を始めた。「貧困のため学校に通えない子供たちの助けになれば」と思い立った。寄付金は現地で子供たちの教科書や制服代に使われる。

 画集は1月に完成。B5判で、広瀬さんが10年前から描きためた44作品を収めている。ロンドンのテムズ川やパリのルーブル美術館、ニューヨークの街並みなどのほか、練馬区の自宅近くの光が丘公園、故郷の山梨県塩山市(現・甲州市)などの風景を、柔らかい線と鮮やかな色彩で描いた。

 家族と出かけた旅先や、出張時には、名刺大のパレットと発色のいいドイツ製の水彩絵の具、スポイトがついている水彩筆を持参する。飛行機を乗り換えるための待ち時間に街に出て、気に入った場所を探し、立ったまま約10〜30分で作品を仕上げるという。

 画集代の寄付先は、広瀬さんの知人、秋尾暢宏さん(69)が携わるNGO「日本民際交流センター」(秋尾晃正代表、新宿区)が運営する奨学金。同センターはタイの東北地方の農村やラオス、カンボジアの農村の小、中学生を支援している。1万円あれば子供1人が1年間、学校に通う費用を賄えるという。画集は500部作製し、すでに約200部は知人らが買い取ってくれた。広瀬さんは「趣味を通じ、未来ある子供たちの支援ができるのはすてきなこと」と協力を呼びかけている。問い合わせは同センター(電)5292・3260。(吉永亜希子)

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/tokyo23/news/20090218-OYT8T00092.htm