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2009年02月18日(水) 12時31分

GM、4万7000人削減スポーツ報知

 経営危機に陥っている米ビッグスリー(自動車大手3社)のうち、米政府による緊急融資を受けたゼネラル・モーターズ(GM)とクライスラーが17日、経営再建計画を政府に提出した。GMは世界で約24万人いる従業員のうち、4万7000人の人員を年内に削減するほか、5工場を新たに閉鎖すると表明。既に融資が決まった134億ドルに加え、最大166億ドル(約1兆5000億円)の追加融資を要請した。

 クライスラーも既に受け取った40億ドルに加え、計50億ドルの追加融資を要請。3000人の人員削減や7億ドルの経費削減を年内に実施するとした。

 両社の昨年12月の支援要請額は、GMが最大180億ドル、クライスラーは70億ドルだったが、わずか2か月余りでGMが総額で最大300億ドル、クライスラーが計90億ドルと大幅に拡大。今後も支援が膨らむことへの懸念は強く、オバマ政権は計画の承認をめぐり難しい判断を迫られそうだ。

 米景気低迷で、両社の1月の新車販売は前年同月と比べほぼ半減。資金流出が深刻化し、巨額の追加支援要請に至った。

 GMは米市場で傘下の8ブランドのうち「シボレー」など4ブランドに経営資源を集中するなどして業績回復を急ぎ、2012年から融資の返済を始める。クライスラーは、イタリア大手フィアットとの資本提携を軸に生き残りを図る方針を示した。

 全米自動車労働組合(UAW)は同日、フォード・モーターを含む大手3社と、労務コストの削減で一致したと発表。しかしGMなどによると、医療費負担をUAW運営の信託基金に移す際の拠出金をめぐる交渉が残っており、負債圧縮に関する債権者との交渉も最終決着していないという。

 3月末をめどに経営再建の実現性が確認されないと、両社は融資の即時返済を求められ、経営破綻(はたん)が現実味を増す。(共同)

(2009年2月18日12時31分  スポーツ報知)

http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20090218-OHT1T00102.htm