珍しい名字の表札を民家から盗んだとして、警視庁荒川署は17日までに窃盗と住居侵入の疑いで埼玉県蕨市の無職・丹羽康裕容疑者(42)を再逮捕した。
5年間かけ289枚もの表札を盗み、自宅アパート(6畳一間)の敷布団に整然と並べて毎晩一緒に就寝していた丹羽容疑者は「電話帳で珍しい名字の住所を調べて盗みに出掛けた。楷書で書かれた奇麗な表札が好きだった」と供述している。住所入り、ヒノキ製、鋳物など様々なタイプの289枚は、1枚残らず楷書で記されたものだった。中には、特に珍しくない名字の表札も含まれていたというが、荒川署関係者は「好きな漢字もあったらしい」と明かす。具体的な名字や漢字については「個人情報」として公開していない。
丹羽容疑者は5日深夜、荒川区の路上で不審な様子を見とがめられて職務質問を受けた際に、ドライバー、懐中電灯、軍手などを手提げバッグに隠し持っていたためピッキング防止法違反の現行犯で逮捕された。バッグからは盗んだ表札も2枚見つかった。再逮捕の容疑には、1月28日午前2時頃、荒川区の無職男性(75)宅の敷地内に侵入し、玄関の表札1枚(1万円相当)を盗んだ疑いがかけられている。
都内と埼玉・千葉両県内各地の電話帳で珍しい名字の家を探していた丹羽容疑者は、狙いを定めた家の所在地に印を付けていく「表札マップ」を作成し、03年頃から窃盗を開始。布団に並べきれない分は、段ボールで保管していた。同じアパートに住む女性は「全然付き合いはないんだけど、いつもどなるような感じで歌ってるの」と迷惑そうに語っていた。
(2009年2月18日06時01分 スポーツ報知)
http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20090218-OHT1T00015.htm