医師不足問題を受け、臨床研修制度の見直しについて協議していた厚生労働省と文部科学省の検討会(座長・高久史麿自治医大学長)は18日、都道府県や病院ごとの募集定員の制限と必修診療科目数削減などを柱とする見直しの提言を取りまとめた。
両省は2009年度の募集から提言を反映させ、医師不足解消を目指す方針。
提言は研修期間を現行と同じ2年間とした上で(1)研修医の募集定員に都道府県ごとの上限を新設するとともに、研修先病院の募集枠も制限する(2)国が定める7つの必修診療科目を内科、救急、地域医療研修の3つに絞り、小児科、産婦人科、精神科などのうち2科目を新たに「選択必修」として研修医が選ぶ−など。
都道府県ごとに募集定員の上限を設けることで、都市部に研修医が集中することを回避。同じ県内での偏在を解消するために各病院の募集枠にも制限を加え、地域への医師派遣機能を持つ大学病院などの定員枠を優遇するよう調整する。
また必修科目数を絞ることで将来専門とする診療科と関連診療科にじっくり取り組めるようプログラムを弾力化。専門とする科での診療を下支えする人材として研修医を活用する考え。