厚生労働省のエイズ動向委員会は18日、国内で2008年に新たに報告されたエイズウイルス(HIV)感染者は1113人、エイズ患者は432人で、計1545人に上るとの速報値を発表した。感染者・患者の合計報告数は03年以降、6年連続で過去最多を更新した。
大半は男性で、感染者と患者を合わせて1442人。女性や外国人男性の報告数は前年からほぼ横ばいだったのに対し、日本人男性の増加が目立った。
感染経路は、同性間の性的接触が最も多く、感染者・患者で計964人、次いで異性間の性的接触(計365人)、注射器による薬物乱用(計10人)だった。
年代別では30代の559人が最多。20代の377人、40代の303人が続く。50歳以上は283人だが、前年より約50人増え、報告数の増加が最も多かった。
委員長の岩本愛吉東大医科学研究所教授は「男性の同性間性的接触による感染が多く、年齢分布も拡大傾向にある。こうした動向を踏まえ、重点的に対策を強化する必要がある」とコメントしている。