愛知県西尾市の中村晃毅市長(71)に対する汚職疑惑が浮上し、名古屋地検特捜部は18日、収賄の疑いで、同市役所庁舎などの家宅捜索を始めた。特捜部は中村市長の事情聴取に乗り出し、容疑が固まり次第、逮捕する方針。
特捜部の係官は午前10時ごろ庁舎に到着。市長室のほか、企画、建設、市民の各部長室を一斉に捜索した。
中村市長をめぐっては、名鉄西尾駅前再開発事業や工業団地の用地取得について、取引業者との不透明な関係が取りざたされていた。
特捜部は、同県吉良町の人材派遣業者から刑事告発を受け、内偵捜査を進めていた。
中村市長は愛知県議などを経て2005年9月、西尾市長に初当選し、現在1期目。
中村市長をめぐっては、05年の市民税や固定資産税などを滞納していた事実が発覚。同市長は昨年2月、「正確な額は覚えていないが、百数十万円あった。選挙活動をしていて資金的に余裕がなかった」と滞納を認め、「市議会で市民に説明し、職務を全うしたい」と辞職は否定していた。
(中日新聞)